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きもの生地の可能性を拓く、新しい素材開発のお話(1)
日本列島に大きな爪痕を残した秋の始まりでした。被災地の皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。
さて、今回はタイとロサンゼルスの学会で発表してまいりました、友禅加飾と強化プラスチックのコラボレーションについてお話します。
一体今回はどんな研究をしていたのか?ということについて。
つまりは友禅シルクの力でプラスチック製品に高級感を演出したい!ということなのです。
はじまりは、友禅染めのきものの未来を考えていた時でした。
きもの伝統製法を守り、伝えるために糊の研究を始める一方で、もっと身近に友禅染めを感じていただく、取り入れていただく方法はないものか。
きものの生地を使って、何か他のことはできないだろうか。
一方で強化プラスチックは、加工のしやすさなどから、現在様々な製品に使われています。けれど悩みは、高級感が出しにくいこと。それに伴って意匠性も高めたいというのが、素材を研究する方々の願いです。
そうして研究室仲間と一緒に始めたのが、ガラス繊維強化プラスチック彩光材(FRP)にきものの生地をはさみこみ、見た目に美しい「アーティフィシャルプラスチック」の新商品を作り出す研究です。
例えば、洗面台にしてみたり。
例えば、花器として生花とのコラボレーションを楽しんでみたり。
いかがでしょう?これぞまさに、伝統と革新の融合だ!とワクワクしているのです。
今回の発表では、このアーティフィシャルプラスチックで照明器具を作るために、ちりめん生地を変えて光の通り方を測定して発表しています。
友禅染めのシルクを通った光がお部屋にある。素敵だと思いませんか?
来月は、その実験結果について詳しくお話ししようと思います。
お楽しみに!